=Column 医食同源 第10回= キュウリ Cucumber

 前回のコラム「わさび」のトーンが、「いつもよりちょっと真面目だね」と、妻から指摘を受けました(妻は第一読者であり、校正担当者でもあります)。読み返してみると、確かにそんな感じがいたします。わさびがテーマだったので、ピリッとしてしまったのかもしれません。

 今回のテーマは、「キュウリ」です。わさびよりも外観からしてユーモラスなので、私もリラックスした状態でキュウリらしく?書きましたので、前回より読みやすくなっているのではないかと思います、たぶん、maybe、perhaps。

 今回のテーマ「キュウリ」には、思い入れがございます。どうしてかというと、第1回のコラムでご紹介した、種のひとつがこのキュウリなのです。はじめはゆっくりでしたが、大きく成長し収穫を迎えています。次から次へ実をつけ、ちょっと目を放すと長さ30cm、重さ300g以上になります。採りたてのキュウリは、みずみずしくて、とても美味しいです。前置きが長くなりましたが、それでは始めましょう。

 

 キュウリは、北西インドのヒラヤマ山脈の麓が原産地と言われています。約3000年前から栽培されています。中国西域の民族が中国へ持ち込み、広がっていきました。中国では、西方もしくは北方で活動する異民族を胡人(コジン)と呼んでいたことから、胡瓜と命名されました。日本には、6世紀から10世紀頃中国から伝来しました。その当時は、完熟させた黄色いものを食用にしていました(とても苦かったようです)。本格的な普及は17世紀以降になってからです。

 

 キュウリは、ビタミンA、B1、C、E、などを含みますが、含有量はあまり多くありません。

キュウリは、体を冷やす働きのある食材と言われています。全体の95%が水分で、カリウムを含みます。水分摂取とカリウムの利尿効果が、体の内側の熱を外に運び出すことで、体を冷やします。独特の青臭さは、ピラジン(第4回ピーマン参照)によるものです。ピラジンは、血液をサラサラにし、血行を促進する作用がありましたね。この作用は体温調整にも有利に働きますので、熱中症の予防にも効果が期待できます。

 

 さて、今回ご紹介するお料理は、キュウリのサンドイッチです。とは言っても、英国貴族が好んだ ホワイトビネガーに漬けて ディルをふり バターを塗ったパンで挟む、お洒落なキューカンバーサンドイッチ(これはこれで美味しいですが)ではありません。

 その対極をいく、「ぎっしりもりもりキュウリサンド」です。とことんキュウリを使った、限りなくシンプルなサンドイッチです。

 まずキュウリ1本から2本(重さ200gを目安に)を食パンの長さに合わせて2mmの千切りにします。2mmがお勧めです(2mmの千切りスライサーを使うと楽ですよ)。ボールに入れ、お塩小さじ1/2を揉み込んでラップをかけて5分間おき(この時ボールの下と、ラップをかけたキュウリの表面を、保冷剤で冷やすとおいしいですよ)、水気をしっかり絞ります。さらに、キッチンペーパーで包みもう1度しっかりと絞ります。次に食パン(パスコ超熟10枚切りがお勧めです)の片面にマヨネーズをまんべんなくたっぷり塗ります。その上に先ほどのキュウリをのせて、マヨネーズを塗ったもう一枚のパンを上にのせ、ラップでキュッとくるみます。キュウリ200gを使うと不安になるくらいに山盛りになると思いますが、心配御無用。食パンは、誰に対しても優しく柔軟で大きな包容力がありますので。冷蔵庫で5分くらい置き、ラップごと包丁でスパッと切って出来上がりです。切る方向は千切りキュウリに対して垂直になる様に切りましょう。溢れんばかりのキュウリの断面図は壮観です。早速食べましょう。キュウリの香り(ピラジンです)と、歯ざわりが最高です。マヨネーズとパンとの相性も抜群。見た目はボリューミーですが、ペロリと食べられます。食べた後もスッキリ気持ちよいです。キュウリは、本当に夏の食べ物ですね。

 

 キュウリの花言葉は「洒落」です。キュウリの花はサッと散り、すぐに美味しい実をつける、さっぱりとした性質から来ていると考えられています。執着せずに、良い結果を残すという気の利いた様子を連想させるためです。

 

執着しない、良い結果を残す。素敵ですね♪

 

●追伸

キュウリといえば河童、ラップ・トック・マック、クイクイ・グルック・クラバック

今日は芥川龍之介さんの忌日「河童忌」です。

 

2025.7.24

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