=Column 医食同源 第7回= バター Butter

 今回のテーマは、「バター」です。みなさん、バターはお好きですか?

その起源は、はっきりしていません。古いものでは、紀元前4千年のイスラエルの遺跡から、バターを作るための道具と推定される土器が出土しています。また、メソポタミア文明のシュメール人の神殿跡から発掘された装飾版に、土器(チャーン)でバター作りをしていると思われる様子が描かれていたりしています。

 

 私もシュメール人になったつもりで、あるいは小学生の自由研究をしているつもりで、早速 作ってみました。本当は、牛乳で作りたかったのですが、市販されている普通の牛乳では作れないようです。用意したものは、タカナシ特選北海道生クリーム47 30ml(大さじ2杯)、フタ付き容器(100ml)の二つ。清潔な容器をキンキンに冷やしておきます。そこへよく冷やした生クリームを入れて、激しく上下に振ります。約8分くらいで(結構大変でした 翌々日に両腕の筋肉痛あり)、パシャパシャと音がして塊ができたら出来上がりです。白い水分は、バターミルクで美味しく飲めます。出来たてのバターの印象は、まずその色が美しいこと。口に入れると、柔らかくてとてもやさしい味でした。そのバターを、小さめに切ったジャンボレーズンとモハベレーズン(第5回コラム参照)それぞれに塗って美味しくいただきました。

 

 バターは約80%が脂質だとされています。食用油脂の中でもっとも消化が良く、吸収率はなんと95%。また、バターは天然のビタミンAを豊富に含んでいます。バターの黄色味はビタミンAのβカロテンの色によるもの。ビタミンAは肌や粘膜を健康に保ち細菌に対する抵抗力や、視覚機能を高めます。ほかにもカルシウムの吸収に役立つビタミンD抗酸化作用があり老化を防ぐビタミンEなどが含まれます。

 

 バターは、お料理にもお菓子にも欠かせない食品ですが、バター感抜群の食べ物は、ショートブレッドだと思います。ショートブレッドは、「short」→サクサク・ポロポロ、「bread」→焼き菓子、つまりサクサクした焼き菓子という意味があります。スコットランドのウォーカー社が有名で、スーパーでも購入することができます。もちろんそれはそれでおいしい。しかし、まだまだバター感に満足できないので、自分でも作ります。材料はとてもシンプル。薄力粉とバターとお砂糖です。薄力粉180g、バター100g(普通の有塩のものが丁度よいです)、お砂糖50gの3つです。まず、バターを1cm角に切って冷蔵庫で冷やします。ボウルにバター、薄力粉、お砂糖を入れて手でよく混ぜこみます。ポロポロのパン粉状になったら、圧力をかけてひとつの生地にまとめます。打ち粉をひいたまな板かクッキングシートに生地を置き、厚さ2cmほどに麵棒で伸ばします(ラップをかけるといいですよ)。大きさ、2cm×5cm位に包丁かスケッパーで切り、表面にフォークか楊子で穴を6か所ほどあけます。オーブンで170度20分、焼き色を見ながら時間は調整してください。自然に冷めたところで完成です。だいたい、25から27個くらいになります。私はジプロップに入れて冷凍保存し、食べたいときに、食べたいだけ食べます。我が家では、冷凍保存=時間を止める認識で、賞味無期限と考えています。

 まずはそのまま食べてください。濃厚でバター感たっぷりで幸せな気持ちになること請け合いです。ジャムを付けるのもいいですね、イチゴ、マーマレード、アンズ(アンズジャムは自家製です)など全て合います。そして餡子も忘れずに!

 

 冒頭に戻ります。シュメール人が残した世界最古の物語に、ギルガメッシュ叙事詩があります。シュメール人つながりで、思い出しました。「ギルガメッシュ王ものがたり」、「ギルガメッシュ王のたたかい」、「ギルガメッシュ王さいごの旅」の三部作が、岩波書店から出版されています。絵本ですが、とてもきれいな絵で大人でも十分に楽しめます。購入したのはずいぶん前でしたが、久しぶりに繙きました。以下あとがきからの要旨です。『ギルガメッシュは、西洋文学の最初の英雄です。英雄が兼ね備えるべきすべての美徳 すなわち、勇気、思いやり、誠実さ、困難にあった時の粘り強さ、理想に向かっての献身的努力を体現しています。』英雄になることは、とても無理でもギルガメッシュ的生き方には憧れてしまいます。ショートブレッドを食べながら、思いました。

2025.7.4

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