=Column 医食同源 第4回= ピーマン Piment

 私の私見ですが、ピーマンとお茄子は、夏野菜の両横綱だと思っています。

 今回は西の横綱、「ピーマン」がテーマです。

 

 ピーマンは、ナス科トウガラシ属の野菜で、名前の由来はフランス語の「pimento=トウガラシ」が由来とされています。原産地は、中南米の熱帯地方です。18世紀にアメリカで品種改良された大型ピーマンが、明治時代に日本に伝わりました。一般家庭の食卓に広まったのは、中型種が作られるようになった終戦後です。

 

 ピーマンの効能も横綱にふさわしく、多彩です。ビタミンC、β‐カロテン(ビタミンA)、ビタミンE、カリウムなどが含まれ、食物繊維も豊富です。

 今回注目したいのは、ピラジンです。ピーマン独特の苦みは、香り成分のピラジンと抗酸化作用のあるポリフェノールのクエルシトリンと合わさることで、生み出されます。ピラジンには、精神を安定させたり、血液をサラサラにして血行を促進したりする働きがあります。ほうじ茶の香りの主成分でもあります。

 

 この苦みを生かした、最もおいしい食べ方は、ナポリタンだと私は確信しております。ピーマンは、揚げても 炒めても美味しいけれども、ナポリタンで食べるのがダントツに好きです。

 まず、ソーセージを2本斜め切りにして少し焦げ付くくらいに炒めます。次にケチャップお玉2杯(大さじではありません)と玉ねぎ(半分を薄切り)を焦げる寸前まで、丁寧かつ、とことん炒めます。マッシュルームはあえて入れません。限りなくシンプルに。硬くなりすぎたら油を少し入れます(オリーブオイルがいいですね)。そして最後に、半分を縦切り(約5mm幅)にしたピーマンを投入して約1分炒めます(炒めすぎないで!)。ゆであがったパスタ麺(100g)を入れて素早く混ぜ、少し炒めて全体をなじませます。この出来上がったナポリタンを、十分に熱した鉄のフライパンに移し入れ、ジュージューいっているところに、溶いた卵を回し入れて出来上がり。フーフーいいながら食べつつ、粉チーズとタバスコを加え入れ、味変も楽しみます。全体を通して、ピーマンの苦みが味をしっかりと引き締め まとめています。その役割、かっこよいとさえ思います。

 

 組織のリーダーは、ピーマン的役割を担わなければなりませんね。

 ピーマンを見習い、自分を戒めます。

 

2025.6.13

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