=Column 医食同源 第5回= レーズン Raisin
長文をお許しください。実は 今回のテーマ、レーズンは、私の妻の大好物であります。なので、いつもよりもいささかネツが入ってしまいました。レーズン好きな方には、もちろん読んでもらいたいです。もしも、レーズンがあまり好きでない、嫌いだ!とう方が、読み終わった後に「ちょっと食べてみようかな」とか「代官山に行ってみようか」など、思っていただけたら望外の喜びです。それでは、始めましょう。
改めまして、今回のテーマは「レーズン」(干しブドウ)です。レーズンの歴史はとても古く、紀元前2000年ごろまで遡ります。メソポタミアや古代ペルシャ(現在のイラン地域)地方で、自然に乾燥したぶどう(レーズン)が偶然発見されたのが始まりのようです。古代の人々はレーズンを食料として重宝しました。古代エジプトでは重要な食材として、ローマ帝国の時代には生産量も増え、お料理やデザートにも使われるようになりました。現代では、様々な国の文化の中、独自の使われ方でとても愛されている食品です。
効能は、まずは、即効性のあるエネルギー源として(果糖とブドウ糖が含まれており、お砂糖よりも吸収されやすい)。カリウムが豊富(生のブドウの5倍もあります)で、発汗後の夏バテ対策。そして食物繊維(腸内環境を整え便通を良くします)と鉄分(貧血の予防)も豊富です。
このコラムを契機に、何かレーズンを使った料理に挑戦したいと思いました。サウジアラビアの伝統的な米料理にカブサ(Kabsa)というお料理があります。スパイスを効かせた炊き込みご飯の上に鶏肉や羊肉などをのせたもので、お祝い事などでよく食べられるようです。そのカブサを調べたところ、気の遠くなるようなレシピでした。
熱を加えてご飯と一緒に食べてみたくて、もっと簡単なものはないか調べてみると、クックパッドに私向きのとても簡単なレシピがありました。レーズン入りのカレーピラフです。卵1個にお砂糖小さじ1を入れて溶き、中華鍋で炒り卵にして一旦取り置きます。みじん切りにした玉ねぎ(1/2個)を炒めます。玉ねぎがしんなりしたところで、先ほどの炒り卵を戻し、ご飯(0.5合)とレーズン20g、カレー粉小さじ2、お塩小さじ1/2を入れ、お醤油小さじ1/2を回し入れ完成です。これだけでも十分に美味しいのですが、カブサにつかうスパイスを入れると激変します。使うスパイスは、ターメリック、シナモン、クミン、クローブ、カルダモン、黒コショウです(スパイス好きの妻が私のためにスパイス棚を作ってくれました)。それぞれ一振りずつ(かなり適当です)、クローブ(ホール)を3から5粒を投入してさっと炒めます。カブサには、カブサトッピングというものがあり、オリーブオイルでナッツ30gとレーズン20gをそれぞれ炒め、上に乗せて食べます。ほんものの味は知りませんが、その方向性は何となくわかりました。スパイシーなカレー味のご飯と、甘いレーズンとの組み合わせが、たとえようもなく新鮮で楽しいです。妻も大喜びしてくれました。
無理せず、もっと簡単に食べられるものでは、ブドウパンが好きです。ポンパドールのジャンボレーズンとタカキベーカリーの赤葡萄のモハベレーズンは大好物です。忘れてならないのは、代官山小川軒のレイズンウイッチ(代官山でなければなりません)。サクサクのクッキーと、バタークリーム&レーズンのバランスが絶妙ですよね。時間をおいてしっとりした状態で食べるのも大好きです!
疲れたときや、なんか気持ちが落ち込むようなときには、よくレーズンを食べます。元気になれる(そんな気がする)のは、素晴らしい効能のおかげなのだと思います。
レーズンには、なぜか心惹かれます。おそらくその形が植物の種のように見えるからかもしれません。種から新しい芽が出る時、いつも神秘的で優しい気持ちになります。
種にまつわる好きな言葉があります。
涙と共に種を蒔く人は 喜びの歌と共に刈り入れる。 詩編 126-5
2025.6.20
Blue rose bud